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西の西の果ての島 西西里島 シチリア島。地中海のほぼ真ん中に位置する逆三角形をした島シチリア島での暮らしが十年目を迎えた頃から、島嶼(しまじま)への度重なる旅行をほぼ五年間に渡って続けている。島暮らしも、島旅も、理由はそこが「島(嶼)」だから。なぜなら島(嶼)が好きだから。ただそれだけだ。暮らすように旅をして、旅するように暮らす著者。

そんなシチリアに暮らす著者が、数年にわたり旅した島嶼は百箇所以上におよぶ。そこで出会った「ものがたり」に、その地の起源をを見出し、そして各地の神話や伝説の独自性と共通点を同時に見つめながら、その原風景を探る一冊。 

自宅のテラスをたびたび真っ黒にするのは、定期的に噴火を繰り返している、欧州最大の活火山エトナ山が噴き出す火山灰。巨大なセイヨウフウチョウボク(西洋風蝶木つまりケッパー)の花が咲くリパリ島で見た、教会の裏にあった石組み。巨大な干しぶどうのワイン漬けで作った「パンテレリア島の金(きん)」という名の忘れられないジェラートの島、パンテレリア島。鏡のような水の中に浮かぶ、シチリア島よりアフリカに近い島ランペドゥーサ。
ギリシャ神話の太陽神 アポロの神託の地アテネから、北へ70kmに位置するデルフィには、今でも鏡のように輝く岩壁の下に神殿が残る。フィリピン セブ島北部の離島 マラパスクワ島に冬期に必ずやってくる大型台風の真下でのエピソードと島の人々が台風の時にすること…。嘘のような風景の島 青ヶ島で見たカルデラの中。雲を下に眺めた八丈島。与那国島の沈まない夕陽。はじめてのジャングル体験西表島。久高島が神の島と言われる所以。淡路島、沼島、対馬、宗像大島、佐渡島。これらの「島」で見たこと、聞いたこと、起きたこと。
「島」にも「嶼」にもそこには確実に島の外との境界線、つまり結界があり、古代からの独自の信仰形態がいまも祭祀や習慣として生き続けて、伝え続けられていた。

島嶼見聞録

木越 祐紀子 著

きごし ゆきこ

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(しましまけんぶんろく)

定価¥480(税込)

母に捧げる本

今から28年前 平成元年の1月27日に亡くなった母のこと

いつも母が居たはずの病院のベッドにはもう誰も居なかった。枕元の小さな日記帳には、病院のテレビで知ったのか、その20日前に定められた新しい年号「平成」を「 へ い せ い 」…と、きっともう思うように動かなくなった震える手で、文字通り「一生懸命」書いたであろう字が残っていた。綺麗な文字を書く母だったから、余計に、勢いのかけらも無い、ゆらゆらした字が悲しかった。命は字にも表れるのだと今改めて思う。

あれから、母が生きていたら喜んでくれるだろう、ママに見せたかった、ここにママが居て欲しかった、と思うようなことがいくつかある。

平成9年の紀尾井町での独立、開業。お客様第一号は、小学校一年生からの親友の母上様だった。「こんなに素敵なジュエリーサロンを開業するなんて…。おめでとう。ママに見せたかったね。」と仰った。とても嬉しく、そしてあらためて悲しかった。それから嬉しい事も、母が居たら助けてくれたのにと思う事もたくさんあった。そして、最大の喜びの出来事は、平成17年の夏、息子 安寿郎アンジェロの誕生。イタリアでは、亡き家族を神の一員として数える習慣からか、息子は会ったこともないおばあちゃんのことを「ノンナ・エミコ」と慕っている。ノンナとはイタリア語で祖母のこと。義父も故人で「ノンノ・カルロ」と呼んでいる。毎年11月1日のイタリアのお祭り「死者の日」には、子供たちには亡き家族からプレゼントが届くことになっているから、息子 安寿郎は、ノンノ・カルロとノンナ・エミコからプレゼントをもらっているのだ。

最愛の母が亡くなる前、最後に私に言った私についての注意事項(アドバイス)は「地に足をつけなさい」だった。なんでも夢に、私が、膝から下を伸ばしたり曲げたりしながら、空を蹴って飛んで行く夢を見た、とその時言った。そして「そんなに結婚が嫌なら結婚しなくてもいいわよ。でも、子供は絶対に産みなさい。」とも言った。

空に飛んで行ってしまったのは、ママだったくせに。

仰せの通りに子供は生まれましたが、ごめんなさい、ママ。今でも地に足をつけていません。あれから、イタリアのシチリア島という島で暮らしていますが、時々、いや、しょっちゅう、日本や他の色々な外国を旅して遊び歩いています。そして、そのことを本に書きました。

今朝、その本を書き終えて、発売が決まったところです。

「島嶼見聞録(しましまけんぶんろく)」という本です。

​著者プロフィール

​木越祐紀子(きごしゆきこ)

1963年東京生まれ。民俗学者 柳田國男は大叔父。曾祖父は陸軍大臣 木越安綱。
軍人の祖父(木越二郎)、教育者の父(木越隆)の厳しい家庭で育つも、15年間の大手貴金属宝石の企業での勤務を経て独立。1997年10月東京・紀尾井町に自社を立ち上げる。

イタリア・シチリア島在住 15 年⽬。現在ほぼ2ヶ⽉おきに⽇本にも在住。「易(えき)」の占いと哲学両⾯の研究を始めて 16 年⽬。⽇本とイタリアの「古典」(『古事記』などの神話をはじめとする書物、歌舞伎舞踊、能楽・狂⾔などの舞台芸術)の繙き(ひもとき)、イタリア向けには「東洋の叡智 Saggezza Orientale の繙きと各地における伝承の研究」と⾃ら銘打って、易(占いが何故当たるのかと卦の構造・思想)、陰陽道、神道、古神道、神話(⽇本の神話、ギリシャ神話)、伝説、密教、修験道などと各地の伝承形態を研究中。「書斎」と「フィールド」と称し、読書による研究と伝承地、⽐定地への旅と調査・取材を続けている。「祭祀(神事)」と「芸能」によって伝わる⽇本古来の思想が最近の研究テーマ。神話・伝説に語られる「時間」「空間」「⾏動」の再現がコンセプト。2018 年 3 ⽉現在、各地の「祭り」とそこで催⾏される「祭祀」「芸能」に関する著作『続 島嶼⾒聞録ぞく しましまけんぶんろく』『繙三番叟ひもときさんばそう』、舞楽映像作品脚本『樂 平成式三番叟あそび・うたまひ へいせいしきさんばそう』新作狂⾔『蝸⽜+α』などを執筆中。神話や伝説からヒントを得たジュエリーデザイン『神話のジュエリー デザインブック』を製作中。⽇本舞踊坂東流 師範。芸名 坂東映祐ばんどうてるすけ。(芸歴 43 年⽬/1975 年〜) 坂東流家元直⾨ 坂東三津映⾨下。今後舞踊家芸名 花圓悠紀(はなまるゆき)使⽤予定。現在 能楽 ⾦春流第 80 代宗家 ⾦春安明師に師事。⼤蔵流狂⾔善⽵会 善

⽵隆平師に師事。⼤蔵流狂⾔ ⼤藏基誠師に師事。⽇本舞踊 英御流家元英御流寿光(歌舞伎役者 中村芝皐)師に師事。ジュエリーデザインの経験は 1983 年〜。

略歴: 

1963 年東京⽣まれ。⺠俗学者 柳⽥國男は⼤叔⽗。曾祖⽗は陸軍⼤⾂ ⽊越安綱。曾祖⺟は坊城三津(宮中祭祀・典礼を司る式部頭 坊城俊政の次⼥)。 

軍⼈の祖⽗(⽊越⼆郎)、教育者の⽗(⽊越隆)の厳しい家庭で育つ。⺟⽅の親戚もほぼ全員が学者であり商売とは無縁の家庭環境であったが、1983 年より 15 年間の⼤⼿貴⾦属宝⽯企業(現 GINZA TANAKA)での勤務を経て独⽴。

1997 年10 ⽉東京・紀尾井町に⾃社“GIOIA KIGOSHI ジォイア・キゴシ”を⽴ち上げる。2002 年「易」を基にした「六⽘占術」の構造研究(卦の六⽘に陰陽五⾏の⼲⽀を振る納甲⽅式)を始める。ジュエリーサロンオーナー・デザイナーとしてイタリア〜⽇本間をほぼ毎⽉往復するうち(イタリアのジュエリー製造会社ロベルト・コイン社など数社に定期的にデザイン画を販売)、出張のついでに⽴ち寄った南イタリア・シチリア島(映画「グラン・ブルー」の撮影地)で突然スクーバダイビングに⽬覚める。スクーバダイビングがきっかけでシチリア島に移住(2004 年)。

 

約 15 年間のシチリア島⽣活を経て現在に⾄るが、この間も「易」の研究を続ける。「ギリシャ神話」「⽇本の神話」に「易」の根本思想「陰陽五⾏思想」が共通することに気づき、2013 年よりギリシャをはじめとする欧州の伝承地、⽇本の神話の伝承地めぐりを始める。これにより研究対象は「神道」「神話」「陰陽道」「密教」などに派⽣した。各地で伝承され続けている「祭祀」「芸能」が特に現在の研究対象。

 

1975 年より関わる⽇本舞踊の楽曲が神話や伝説を伝承しつづけるものであり、その「振り」には現在も各地の神社で祭祀として執り⾏われるものに共通することを⾒出し、これらに関する舞踊劇脚本、解説書などを執筆中。歌詞の地名を全て現地で検証。ジュエリーのデザインと神話や伝説との関わりに関するデザインブック製作中。知⼈限定で占い、ジュエリーリモデル(デザイン替え)、オリジナルデザインも受注。

著作: 2016 年 6 ⽉ 神社本庁制作 Soul of Japan ‒ Tales of Divineʼs Age

DVD 映像「⽇本の神話」(英語版)「アートアドバイザー」として参加。 

2017 年 2 ⽉ 電⼦書籍「島嶼⾒聞録(しましまけんぶんろく)」を出版。 

島嶼見聞録
『島嶼見聞録』について、アプリに関するお問合せは下記フォームより
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2017年2月19日(日) オモイカネブックスより発売!
各種電子書籍ストアで順次発売予定です。
定価¥480(税込)
木越祐紀子 著
こちらからオモイカネブックス電子書籍リーダーアプリをダウンロードして、電子書籍を購入して下さい
(しましまけんぶんろく)

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2017年2月19日電子書籍ストアオモイカネブックスで発売!
東京で生まれ育った著者が、イタリアのシチリア島での暮らしが十年目を迎えた頃、久しぶりに里帰りした日本の森の中で、不思議な風景に出会う。それをきっかけに始まった、世界の島嶼(しまじま)を巡る旅。「易」「神話」に造詣の深い著者が、その伝承地を実際に訪れ、見て観じたリアルな体験を綴ったドキュメンタリー。
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